AIモデルと商品合成 撮影が必須な理由とは

実写に近いか、それ以上のクオリティとも言われているAI画像生成ですが、まだまだ全ての撮影がAI生成に取って代わられるということではありません。「撮影が不要なケース」と「撮影が必要なケース」に分かれているのが現状です。この章ではAIモデルと商品を合成するにあたって、実際の撮影が必要なケースと不必要なケースを紹介します。また、AIモデル生成時にどのような点に注力しているか、事例や手法も合わせて挙げていきます。
目次
AIモデルを採用している業界
ファッション業界ではすでにAIモデルを採用している企業も増えてきています。ECサイトで使用される着用シーンも実際の人物からAIモデルに取って代われつつあり、InstagramなどのSNSでもAIモデルが広告塔となって、ブランドアンバサダーとして活躍もしています。
AIモデルは事件や事故を起こさず、企業側も起用するにあたってのリスクやコストがないことがメリットとなりますが、反面、タレント性やキャラクターなどはAIでは再現できないため、売り出し方に苦心しているところもあるようです。
名前はもちろんのこと、職業や趣味、生年月日に至るまで細かくキャラクター設定をして、より人間らしい部分を加えていきます。

実際の撮影が必要なパターンとは
AI画像生成技術は進化しており、多くの分野で応用されていますが、すべてをAIで生成するケースは珍しいと言えます。
依然として、実際の撮影が不可欠なケースもあり、特にファッション、アパレル、人物撮影、報道、文化的記録、広告といった分野においては、正確性、質感、臨場感、真贋性が求められるため、撮影の重要性が以前にも増しています。

撮影必須パターン:アパレル
衣服については、実際の商品であるためAIでは再現できず、実物の撮影が不可欠となります。バーチャル上で試着ができるVirtual try-on(VTON)の技術革新が目覚ましく、現在では人物と衣服の切り抜き画像があれば、自動的にフィッティングしてサイズ感や着用感の分かる画像を生成できるようになっています。
ただ、あくまでECサイト内の試着サービスに留まっており、CMやポスター、WEBサイトで使用されるビジュアルについては、実際の商品で物撮りを行い、起用したAIモデルと合成する手法が取られています。物撮りに関しても、ただスマートフォンで撮影してアップロードすれば良いということではなく、プロ専用の撮影スタジオでプロカメラマンによるライティングテクニックを駆使して撮影を行い、質感や色合いもレタッチを加えることで、より商品の魅力を伝えられるようなビジュアルに仕上げることができます。
衣服については撮影用のマネキンに着用させるか、あるいはポージングが得意な実際のモデルの方に衣服を着てもらって撮影を行います。マネキンであれば顔・手足をAIモデルで生成し、ポージングモデルであれば顔をAIモデルと差し替えて合成させます。
本来であれば衣服もAIで生成させたいのですが、衣服を着た時のシルエットやドレープは、まだまだAI生成での再現が困難となり、商品の物撮りとAIモデルとの合成によってビジュアルを作り込んでいく工程が必須となっています。
実際に撮影するうえでの注意点もいくつかあり、合成を前提としたライティングや画角に配慮しなければなりません。単純な物撮り以上に求められる条件があり、プロ用の照明が常設された撮影スタジオを有し、AIモデル生成に熟知したプロダクションでなければ成立しない手法となります。

撮影必須パターン:時計・ジュエリー
AI画像生成は元となる画像があれば再現性は容易となりますが、プロンプトだけで新しい画像を生成する際に、時計やジュエリーといった貴金属のディテールや質感、光沢感までは再現することは難しいと言えます。
具体的には時計の文字盤や、ジュエリーのカッティングは実際の撮影には及びません。プロのカメラマンの技術があっても難易度の高い被写体となっており、ライティングや撮影のアプローチも幅広く、ディレクションによって表現の違いが出やすい商品と言えます。
商品単体であれば、従来通りに撮影スタジオで物撮りを行えばよいですが、人物が時計やジュエリーを着用したビジュアルを制作する際はどうでしょうか。ブランドの価値を上げるタレントを起用することも考えられますが、契約料や更新料のコストが発生し、ブランドマネジメントの観点からもAIモデルに切り替えるか、検討しているメーカーも多いようです。
ここで技術的に難しいのが、AIモデルと時計・ジュエリーの合成です。先ほどのアパレルについては衣服以外の顔・手足をAI生成すれば良いのですが、時計・ジュエリーの場合は、腕や指の部分も正確に生成する必要が出てきます。AI画像生成は指の動きや細かいポージングを苦手としており、時計・ジュエリーに関して言えば、ポージングモデルに実際の商品を着用させ、顔を差し替える手法を取っています。
AI画像生成できるからと言って、すべてそれに差し代わるわけではなく、広告のビジュアルを制作するうえでは、実際の撮影が必須となり、より撮影のテクニックや表現力が見直されるようになると考えています。

撮影必須パターン:人物写真・ポートレート
当然の話ですが、記念写真などの人物撮影やポートレート撮影はAI生成が不要と言えます。被写体が限定的であることに加えて、シチュエーションが再現できないからです。ただし、アプリなどでも有効活用されているように、加齢した時の顔のイメージや、体型が変わった時、髪型が変化した時のイメージは、AI生成することで分かりやすくなる利点があります。人物撮影も少なからずレタッチを加えることはSNS投稿では必要不可欠な作業となっており、AI生成が代替してくるでしょう。
人物写真やポートレートも元となる画像があればAIでの可変は容易なのですが、やはりAIの欠点でもある個性や独自の魅力、オリジナル性を完全に再現するという点で、まだまだ未知数と言ったところでしょうか。
タレントやモデルもアバターのようにAIモデルのアーカイブになりつつありますが、本物を残していくという観点で言えば、撮影の重要性は未だ残されていると言ってよいでしょう。

実際の撮影が不必要なパターンとは
ここまで実際の撮影が必要なパターンを紹介してきましたが、AI画像生成のみで成立する分野はあるでしょうか。特に、画像を生成するのに多くのコストと時間が掛かっていたものや、存在しないものを一から生成する場合に有用です。
広告業界で言えば、初動時のクリエイティブデザインに生かしているケースが多いです。キービジュアルを制作する前段階でのアイデアに、映像コンテを制作する前段階のカメラワーク検討に、イラストを制作する前段階でのキャラクター候補に、CGの背景デザインの案として、デザインの様々な分野で利用されています。それは人間の能力に取って代わられるものではなく、むしろ初動時にデザイナーの能力を拡張してくれる機能として利用されているのが特長です。

撮影を必要としないパターン:デザイン
クリエイティブデザインの分野では、ビジュアルを制作するうえでAI画像生成が非常に有用です。ディレクターのイメージするものをデザイナーが作り上げていきますが、その初期段階に参考資料として、あるいはトレースする元となる画像として、AI生成画像が利用されているのは事実です。
特に架空の設定や背景、存在しないキャラクター、斬新なデザインといった、デザイナーでは考え付きにくい素材に関しては、膨大な量を学習しているAIの方が有利となります。また、存在しない架空のものについては、撮影をすることはできません。手作業でイラスト化することもありますが、ゼロから生み出すよりは効率的とも言えます。

撮影を必要としないパターン:CG背景
テレビ番組やスタジオのライブ配信ではグリーンバックのクロマキーセットで実際の人物と合成する手法が主流となっています。もちろん実際の人物は撮影を行いますが、背景に合成するCGにおいては、ここもAI生成を活用するシーンも増えています。
架空の背景やバーチャルセットを制作する際、CGクリエイターは参考資料なしには作業を進めることは難しいです。実際の風景や建築物を参考にしながら、それぞれの要素を組み合わせつつ、オリジナリティのあるCG背景へと仕上げていきます。
AI画像生成は、CG制作の初期段階から完成イメージを掴めるため、CGモデリングの工程を効率化できるメリットがあります。さらに、実際のテレビ番組やライブ中継においても、ロケ地に出向いて撮影をする必要はなく、AIで生成した画像を背景に合成することで、セットを作る費用も、ロケに掛かっていた費用も大幅に削減することができます。
クロマキー撮影とAIで生成したCG背景は、バーチャルプロダクションシステムにおいてもっとも効果を発揮し、そうした技術を有しているのは、一部の撮影スタジオか制作プロダクションだけとも言われています。

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撮影やライティングのノウハウを駆使して、実際の画像とAI生成素材とのレタッチ合成も得意としています。コピーライター、グラフィックデザイナーも多数在籍し、幅広い媒体での広告制作にAI画像生成を導入しています。クオリティアップとコストダウンを実現できる、総合的なプロダクションであるJPCにお任せください。














